特別講演 IN 高崎 「春を満喫!~頭のリフレッシュとアレルギーの改善~について」

 2週間以上前の大雪のなごりが、そこかしこに残る3月2日(日)、群馬県高崎市のニューサンピア 赤城の間に、原料メーカーの大手、日本油脂株式 会社より虎田英之先生を講師としてお迎えして、「ホスファチジルセリン・PSの脳の栄養素としての効果について」と題しての講演会を開催しました。

休憩を挟んで、後半では機能性素材研究会より根津良幸先生をお招きして、「花粉症・アレルギーへのGLAの効果について」と題して、講演を行って頂きました。

その内容の一端を報告致します。

PS・ホスファチジルセリンとは

 健康に良い脂を研究してPSに行き着きました。

脳の神経細胞膜に多く含まれているので、脳機能との関連が示唆されて、PSと脳機能について、多くの研究が行われてきました。

学会発表・研究論文で約3,000件が発表され、臨床試験で64件等です。

その結果、脳機能改善に最適な食品素材として注目されています。


脳は大食漢です

 脳が元気に働くには多くの栄養が必要となります。脳の重量は2%に過ぎませんが、エネルギー消費量は体全体の18%にも達することが、分かっています。

脳はどの器官よりも、エネルギー(酸素とブドウ糖)を必要としています。

脳には、血液脳関門という関所あり!

 PSが脳に届くのかということで、確認が行われ、経口投与でも静脈内投与でも、届くことが確認されています。その結果、脳内のグルコース代謝を向上させて、脳機能を改善させます。

アメリカでは、90年代から消費拡大!

 アメリカにおけるPS購入者の購入動機の70%が50歳以上の人々で、記憶・脳機能の改善、高齢化への対処となっています。その他、スポーツマンのストレス耐性を高めるためや、注意力欠如の子供に対してとなっています。

2003年5月にFDA(アメリカ食品医薬品局)は、「ホスファチジルセリンと認識機能不全、または痴呆のリスク」の軽減という、栄養補助食品としての表示を承認しました。

日油での、試験・データ

海外のデータが病者でのデータに偏っていたため、日油では健康な日本人でのデータを見るために、モニター試験を行いました。

記憶力試験では、PSを1日300mg、3ヶ月間摂取したところ、29.4のスコアが34.1まで上昇し、記憶力の向上が認められました。

抗ストレス試験では、PSを1日300mg、3ヶ月間摂取して、3週間後と3ヵ月後の結果を比べました。アミラーゼ活性の上昇率が、3週間後には約半分になり、抗ストレス効果が認められました。3ヵ月後にも、摂取期間中はその効果が継続されていることが、確認されました。

PSの有効投与量

 多くの臨床試験では、1日に300mgを投与して有効データを得ています。

しかし最近の報告では、1日に100mgでも、長期間投与すれば有効データを得ています。欧米の試験では、1日に数十mgの投与量でも有効との考えもあります。

すなわち、少しずつでも持続して飲み続ければ、1日300mgの人と同じ効果を得ることが出来ます。

今後の期待!

 

 脳の中枢に働きかけて、記憶力や学習の向上改善に、抗ストレス作用に期待が集まります。また、末梢に働きかけて、スポーツや美容への作用が期待されています。

以上が、日本油脂の虎田先生の講演内容です。

話す内容も、話し方も分かりやすくて、PS・ホスファチジルセリンの素晴らしさが良く理解できた、有意義な講演会でした。

(文:滝川 彰)