特別講演レポート 『シイタケ菌糸体培養培地抽出物(LEM)の抗アレルギー効果』

澄みわたる青空の中に爽やかな風が吹く心地良い日の6月1日(月)、群馬県高崎市のニューサンピアにて野田食菌工業株式会社研究部部長、立野良治先生をお招きして、本年3月に神戸で学会発表された内容を基に「シイタケ菌糸体培養培地抽出物の抗アレルギー効果」と題して特別講演会が開催されました。

T細胞バランスとアレルギー

ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパー細胞(Th2)がどちらに分化するかで疾患が違い、Th2が活性しすぎるとアレルギー反応が増強する。このように免疫のアンバランスが病気の原因である。LEM(椎茸菌糸体)には免疫のバランスを調整して体調を整える働きがある。

アレルギー疾患に関して(狭義のアレルギーとは)

アレルギー反応の種類はⅠ型(即時型)、Ⅱ型(細胞障害型)、Ⅲ型(免疫複合型)、Ⅳ型(遅延型)がある。一般にアレルギーと言われるものは、Ⅰ型を指し、抗アレルギー薬とは、Ⅰ型アレルギー治療薬を意味していて、喘息ではステロイド吸入薬、皮膚湿疹ではステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、最近では「プロトピック」等が使用されているが副作用が問題になっている。抗ヒスタミン薬は「今ある痒さを止める」薬で、アレルギーを抑える薬ではない。また抗アレルギー薬には「ヒスタミンが出にくくなる働き」をする塩基性の薬と「ヒスタミンによる末梢神経や末梢血管への刺激の伝達をさえぎる働き」をする酸性の薬がある。

Ⅰ型アレルギーのメカニズム

アレルゲンに感作されるとIgEに抗体が産生され、肥満細胞に結合しこのIgEに抗原が再度結合し顆粒が放出される。その顆粒中にはヒスタミンが含まれており、浮腫や分泌亢進がおこり痒みなどを感じるのであるから、ヒスタミンが出なければアレルギーはおきない。LEM(椎茸菌糸体)にはヒスタミンを出なくする働きがある。

喘息に関して

喘息の人は気管支をはじめとする気道の粘膜には、好酸球やリンパ球を中心とした細胞が集まり、発作がおさまっているときでも、常に炎症が起こっているので、ちょっとした刺激で、「気道閉塞」を起こしやすい。特に身体を休めたいという副交感神経が働き気管支が細くなり夜に発作が出やすくなる。
喘息を引き起こすアレルギーの原因物質には、ダニ、ハウスダスト、花粉、ペット、ゴキブリやユスリカなどの昆虫、ホルムアルデヒドなどの物質であり、アレルギー以外の原因物質には、風邪、タバコや花火の煙、大気汚染、鎮痛薬などの薬物(特にアスピリン)、ストレスや不規則な生活などがある。

アトピー性皮膚炎に関して

アトピー性皮膚炎を引き起こす要因は体質に関わるものとして、IgE抗体を作りやすい体質(遺伝的)、皮膚のバリア機能低下がある。環境に関する要因としては、アレルゲンとして、食物、ダニ、ほこり、カビ、花粉、動物の毛やフケなどがある。アレルゲン以外の刺激では、汗、衣類による摩擦、乾燥、ひっかき傷、「洗剤」など日用品、化粧品、などであり、他には寝不足、過労、ストレスである。
アトピー性皮膚炎の対処として、お風呂上がりに5分以内に保湿剤(ホワイトワセリンなど)を塗るのが良い。

アナフィラキシーショックとは

アナフィラキシーは、発症後、極めて短い時間のうちに全身性にアレルギー症状が出る反応で、主にアレルゲンを食べる、吸い込む、蜂に刺される、などで起き、全身性に複数の臓器(皮膚、粘膜、呼吸器、消化器、循環器など)にあらわれて、血圧低下や意識障害などを起こし生命を脅かすこともある。この危険な状態をアナフィラキシーショックという。
原因として、食品、動物の他に抗生物質などの薬品も原因となることもある。日本においては欧米に比べて3倍も使用しているため、耐性になりいざという時に効かずアナフィラキシーを起こしやすくなっている。

アレルギーの治療

現在の主なアレルギー(アトピー性皮膚炎の場合)の治療方法はほとんどの場合、抗アレルギー剤、ステロイド外用薬、プロトピック軟膏で対応されているが、色々な副作用の問題がある。
特に副腎皮質ステロイドの副作用は、易感染症、消化管出血、糖尿病の誘発・悪化、急性副腎不全、精神変調、ミオパチー、眼症状、高血圧、中心性肥満、月経異常、創傷治癒遅延などがある。

アレルギー関連疾患には漢方薬と、LEMの併用が有効

LEMにはTh、Th2のバランスを調整する作用があり、漢方薬にも同様の働きがあるので、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、喘息等、難治性の疾患で漢方薬治療をされている方はLEMとの併用が有効である。

野田食菌工業株式会社 立野良治 氏
野田食菌工業株式会社 立野良治 氏

LEMによるアトピー性皮膚炎の臨床症例

重度アトピー性皮膚炎に対するLEMの臨床試験においては、31歳の男性が薬剤をやめてLEMを1日6g、投与8日で額の炎症が改善された。また5歳男児においても、1日4gの投与70日で両手の甲、両足膝の改善が顕著に現れている。

まとめとして

LEMはⅠ型アレルギーに対してアレルギー反応を終息させる働きを行う可能性が高く、難治性アトピー性皮膚炎に対しても緩やかに改善している。IgEの値が明らかに低減し炎症性の伝達物質の改善も確認され、アトピーの臨床試験でも下がっている。またアトピー性皮膚炎の一つの要因である、脱顆粒(マスト細胞)の抑制作用も確認された。



以上の内容から、LEM(椎茸菌糸体)がアレルギー全般にも効果があり、改めてLEMの多様性について認識することが出来ました。これからも愛用していくことの自信と、もっと多くの方へ伝えていきたいという気持ちが益々強まりました。

 

(文: 芳賀 陽子)

【参考】